デジタルに追われる毎日から卒業。意識的に距離を取ってみた結果
気づけば一日中画面を見ていませんか
スマートフォンやパソコン。今や私たちの生活に欠かせないものとなっています。調べ物をしたり、家族や友人と連絡を取り合ったり、趣味の情報を見たりと、とても便利です。しかし、気づくと何時間も画面を見てしまっていた、ということはありませんか。
私の場合は、朝起きてまずニュースや天気予報をスマートフォンで確認し、朝食後にはパソコンでメールチェックや気になった記事を読む。日中もふとした瞬間にスマートフォンを手に取り、動画サイトを見たり、アプリを開いたり。夜寝る前まで画面を見ている、という日々が続いていました。
便利であるはずのデジタルデバイスに、いつの間にか私の時間や気持ちが奪われているような感覚がありました。目が疲れやすく、肩もこる。そして何より、一日が終わる時に「また今日も大したことをせず、ただ画面を見て時間を過ごしてしまった」という後悔の気持ちが残ることが増えたのです。他の趣味や、やるべきことが後回しになってしまうこともありました。
「このままで良いのだろうか」と感じたきっかけ
そんな日々を過ごす中で、ふと「このままで良いのだろうか」という疑問が湧いてきました。退職して時間があるはずなのに、なぜかいつも急かされているような、時間に追われているような感覚があったのです。よく考えてみると、その原因の一つは、デジタルデバイスとの付き合い方にあるのではないかと気づきました。
デジタルは便利ですが、際限なく情報があり、次々と新しいものが出てきます。意識していないと、無限とも思える情報の中に埋もれてしまい、あっという間に時間が過ぎてしまいます。私は、デジタルに「使われている」状態になっているのではないか、と感じるようになりました。
デジタルとの距離を見直すために試したこと
そこで私は、デジタルとの付き合い方を見直してみることにしました。難しすぎることは避け、自分にもできそうなことから少しずつ試してみることにしたのです。
まず、スマートフォンを見る時間帯を意識的に制限することにしました。例えば、朝食を食べる間はスマートフォンを触らない、寝る前の一時間は触らない、といった簡単なルールを決めてみました。
次に、通知を整理しました。不要なアプリからの通知をオフにしただけで、スマートフォンに注意を向けられる回数が減り、集中が途切れることが少なくなりました。
また、意識的に「デジタルから離れる時間」を作るようにしました。例えば、午前中は庭いじりや読書の時間に充て、その間はスマートフォンを別の部屋に置いておく。散歩に出かけるときは、地図アプリを使う必要がない限り、あえてスマートフォンを持たずに出かけることもありました。
いきなり完璧を目指すのは難しいので、「今日はこれだけやってみよう」というように、小さな目標を立てることから始めました。例えば、「夕食後はスマートフォンを見ないようにする」といった具合です。
距離を置くことで見えてきたもの
このようにデジタルとの距離を少しずつ見直していく中で、いくつかの良い変化を感じるようになりました。
まず、時間がゆったりと流れるように感じられるようになりました。以前は隙間時間があればすぐにスマートフォンを見ていましたが、その時間がなくなったことで、ぼんやり空を眺めたり、家の周りの音に耳を澄ませたり、ただ静かに座っている時間が増えました。これが意外と心地よく、心が落ち着くのを感じました。
次に、他の活動にもっと集中できるようになりました。デジタルデバイスから離れる時間を意識的に作ったことで、読書や趣味に集中できるようになり、それまで後回しにしていたことにも取り組めるようになりました。一つのことにじっくり時間をかけられることの楽しさを改めて感じました。
また、目の疲れや肩こりが軽減されたようにも思います。画面を見る時間が減ったことが影響しているのでしょう。
そして何より、「時間を有効に使えた」という感覚が増え、後悔の気持ちが減ったことが大きな変化でした。デジタルに「使われる」のではなく、自分が「使う」という意識に変わってきたように感じています。
上手に付き合うことの大切さ
デジタルは私たちの生活を豊かにしてくれる素晴らしいツールです。しかし、それに振り回されてしまい、心身ともに疲れてしまうこともあるのだと、私自身の体験を通じて感じました。
完璧にデジタルを避ける必要はありません。大切なのは、自分にとって心地よい距離感を見つけ、上手に付き合っていくことではないでしょうか。
もし、あなたが今、気づくと長時間画面を見てしまい疲れている、デジタルに時間を奪われているように感じる、といった悩みをお持ちでしたら、ぜひ小さな一歩から試してみてはいかがでしょうか。例えば、一日に数分だけでもスマートフォンから離れる時間を作ってみる。通知を一つオフにしてみる。そうした小さな意識の変化から、心のゆとりを取り戻せるかもしれません。
デジタルとの付き合い方を見直すことで、あなたの毎日がさらに豊かになることを願っています。