デジタル疲れ克服体験談

孫と顔を見て話したい。ビデオ通話の壁を越えた私の体験談

Tags: ビデオ通話, 家族, 孫, デジタル克服, 体験談

離れて暮らす家族との繋がり、ビデオ通話の悩み

遠く離れて暮らす大切なご家族、特に可愛いお孫さんの顔を見て、日々の成長を身近に感じたい、そう思っていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。お電話で声を聞くだけでも嬉しいものですが、やはり「顔を見て話せたら」と感じる瞬間があるかと思います。

一方で、スマートフォンやパソコンを使った「ビデオ通話」には、何だか難しそう、設定が複雑そう、自分の顔がどう映るのか気になる...といった様々な不安や抵抗感があり、なかなか一歩が踏み出せない、というお悩みも耳にします。インターネットで調べても専門用語ばかりでよく分からない、周りの人は簡単にやっているように見えるけれど、自分には無理かもしれない、そう感じていませんか。

私も、実はそう感じていた一人です。

ビデオ通話への小さな抵抗と、挑戦のきっかけ

私には、離れて暮らす息子夫婦と、小さなお孫がいます。電話で話すことはありましたが、画面越しに顔を見て話す「ビデオ通話」には、正直なところ苦手意識を持っていました。スマートフォンで文字を打つのは慣れてきましたが、新しいアプリを入れて設定したり、画面に映る自分を見ながら話したりするのは、想像するだけで億劫に感じていたのです。

「もし失敗して迷惑をかけたらどうしよう」「うまく操作できなくて、孫との大切な時間が台無しになったら悲しい」そんな気持ちが先に立ち、ずるずると先延ばしにしていました。息子夫婦から「今度、ビデオ通話してみない?」と誘われたこともありましたが、「また今度ね」と濁してしまうこともありました。

そんな私の気持ちを変えたのは、息子夫婦が送ってくれたお孫の動画でした。よちよち歩きだったお孫が、私の声が聞こえるとお喋りを始める姿を見て、「ああ、この成長をもっとリアルに感じたい。声だけでなく、目の輝きや表情の変化を、今すぐに見たい」という思いが強くなったのです。これが、私が重い腰を上げた、小さなきっかけでした。

家族との連携で乗り越えた、最初の壁

意を決して息子に「ビデオ通話、やっぱり挑戦してみるよ。でも、正直自信がないんだ」と伝えました。息子は快く「大丈夫だよ。難しくないように、こっちでリードするから、言われた通りに画面をタッチするだけでいいよ」と言ってくれました。

そして約束の日。息子から連絡があり、言われた通りにスマートフォンの画面に表示されたメッセージをタップしました。すると、画面に息子夫婦、そしてその隣でおもちゃで遊んでいるお孫の姿が現れたのです。

最初は何が起こったのかよく分かりませんでしたが、画面の中で手を振るお孫の姿が見えた瞬間、胸の内に温かいものが込み上げてきました。操作はほとんど息子夫婦がしてくれていたので、私はただ画面を見つめ、時々話しかけるだけで良かったのです。

初めてのビデオ通話は、わずか10分程度でした。完璧な操作はできませんでしたが、画面越しに伝わってくる家族の温かさ、お孫の屈託のない笑顔に触れることができ、それだけで十分満足でした。

完璧でなくていい。繋がれたことの喜び

この最初の体験から、「ビデオ通話は、一人で全てを完璧にこなす必要はないんだ」ということに気づきました。特に最初は、操作に慣れている家族にサポートをお願いするのが一番の近道です。アプリの細かい設定や、接続方法など、難しく感じる部分は遠慮なく頼ってみるのが良いと思います。

慣れてくれば、簡単な操作は自分でできるようになりますし、もし途中でうまくいかなくても、慌てずに「ごめんね、ちょっと繋がりにくいみたい」と伝えて、改めてかけ直せば良いのです。大切なのは、スムーズな操作よりも、顔を見てコミュニケーションを取ろうとする気持ちなのだと感じています。

今では、週に一度は息子夫婦とお孫とビデオ通話をするのが楽しみになっています。お孫の「ばあば!」という声と笑顔を画面越しに見るたびに、遠く離れていても心は繋がっていることを実感できます。

デジタルツールを、自分らしく活用する

デジタルツールは、使い方次第で私たちの暮らしを豊かにしてくれます。しかし、無理をしてすべてを使いこなそうとしたり、周りと比べて自分を責めたりする必要は全くありません。

もしあなたがビデオ通話に抵抗を感じているなら、まずは「一度だけ試してみようかな」「家族に手伝ってもらいながら短い時間だけ話してみようかな」くらいの軽い気持ちで、小さな一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの周りには、温かくサポートしてくれるご家族がいらっしゃるはずです。

完璧を目指さず、自分のペースで。デジタルツールと上手に付き合いながら、大切な人との繋がりを育んでいくことができると信じています。