デジタル疲れ克服体験談

新しい趣味の世界、オンラインで繋がることに戸惑っていた私

Tags: 趣味, オンライン交流, デジタル疲れ, 体験談, コミュニティ

新しい趣味の世界、オンラインで繋がることに戸惑っていた私

退職して時間ができてから、若い頃に少しだけかじっていた趣味をもう一度始めてみようと思いました。一人で黙々と取り組むのも楽しいものですが、やはり同じ趣味を持つ仲間と情報交換したり、作品を見せ合ったりできたら、もっと世界が広がるだろうと考えていました。

ところが、最近は趣味の仲間との交流も、昔のように公民館に集まったり、手紙をやり取りしたりするだけではなく、インターネットを使ったオンラインでのやり取りが主流になっていると知りました。スマートフォンは持っていますし、基本的な操作はできますが、何かを検索したり、家族とメッセージを送ったりする程度でした。

趣味の世界でもオンライン交流が盛んだと聞いて、正直なところ戸惑いを隠せませんでした。インターネット上で知らない人と繋がるということ自体が、私には少しハードルが高く感じられたのです。

「自分には無理だ」と思い込んでいた頃

「オンラインコミュニティ」とか「SNS」など、耳にはするものの、具体的にどういうものかよく理解できていませんでした。スマートフォンで小さな画面を見て、文字を打って、写真を投稿して…想像するだけで目が疲れてしまいそうでした。それに、もし何か間違ったことをしてしまったり、迷惑をかけてしまったりしたらどうしよう、変な人に絡まれたら怖い、といった漠然とした不安もありました。

周りの人たちが簡単に使いこなしているように見えて、「どうせ自分には無理だ」「今更新しいことを覚えるのは大変だ」と、始める前から諦めてしまっていました。インターネットを使わなくても、今まで通りマイペースに趣味を楽しめばそれで十分ではないか、と自分に言い聞かせていたのです。趣味に関する情報も、本や雑誌で調べれば事足りると思っていました。

しかし、ある時、どうしても知りたい趣味に関する最新の情報があり、それを手に入れるにはどうやらインターネットで調べるのが一番早いらしいと分かったのです。また、同じ趣味を持つ友人が、オンラインで全国の仲間と交流して、とても楽しそうにしている様子を見て、少し心が動きました。

小さな一歩を踏み出してみる勇気

思い切って、友人に勧められた趣味のオンラインコミュニティを少しだけ覗いてみることにしました。最初は、登録の仕方もよく分からず、画面のどこを押せばいいのか迷ってばかりでした。専門用語のようなものが並んでいるように見えて、「やっぱり自分には無理だ」と何度も挫けそうになりました。

でも、友人が「最初は見るだけでいいんだよ」「分からなければいつでも聞いて」と言ってくれたので、少しずつ試してみることにしました。まずは、他の人が投稿している文章や写真をただ眺めることから始めました。皆さんの熱意や、素敵な作品、役立つ情報が次々と目に飛び込んできて、驚くと同時に感銘を受けました。

分からないことがあれば、家族や友人に遠慮なく尋ねるようにしました。以前なら「こんな簡単なことも分からないのか」と思われるのが恥ずかしくて聞けませんでしたが、「新しいことに挑戦しているのだから、分からなくて当然だ」と考えるようにしたのです。一度教えてもらってもすぐに忘れてしまうこともありましたが、根気強く付き合ってくれる周りの人に感謝しながら、少しずつ操作を覚えていきました。

広がった世界と、心の変化

簡単な操作から始めて、慣れてきたら、誰かの投稿に「いいね」を押してみたり、短いコメントを書いてみたりしました。ドキドキしましたが、反応があるととても嬉しく、オンラインでも温かい交流があることを実感できました。

完璧に使いこなせているわけではありません。今でも分からないことはたくさんありますし、長時間画面を見ていると疲れてしまうこともあります。でも、オンラインの世界に一歩踏み出したことで、趣味に関する新しい情報や、全国の仲間と繋がることができ、私の世界は以前よりもずっと広がりました。

大切なのは、最初から全てを理解しようとしないこと、無理のない範囲で、自分のペースで楽しむことだと気づきました。そして、「間違えても大丈夫」「誰かに聞いても良い」という気持ちを持つことです。デジタルは、あくまで趣味を深めたり、人との繋がりを持ったりするための一つの道具にすぎません。アナログな交流も大切にしながら、デジタルも必要な時に少しだけ活用する。そんなゆるやかな付き合い方ができるようになったことは、私にとって大きな変化でした。

もし今、趣味の世界でオンライン交流に戸惑いを感じている方がいらっしゃるなら、「完璧を目指さなくて大丈夫。小さな一歩から、見るだけでも良いのです」とお伝えしたいです。きっと、新しい発見や、温かい繋がりが見つかるはずです。