町の知らせがスマホで…情報から置いてけぼりになりそうだった私の工夫
地域の情報、どうやって得ていますか?
私たちの住む地域でも、自治会や町内会からの連絡、イベントのお知らせなどが、少しずつ紙の回覧板からスマートフォンを使ったデジタルな方法に変わってきています。スマートフォンのメッセージ機能を使ったり、専用のアプリやウェブサイトで情報が公開されたりするのです。
これまでは、回覧板が回ってくれば必要な情報が手に入りましたし、回覧板が来なくても近所の方との立ち話で自然と町の様子が分かっていました。しかし、デジタル化が進むにつれて、「あれ、最近町の様子がよく分からないな…」「あの集まり、いつだったんだろう?」と感じることが増えてきました。
周りの皆さんはスマートフォンでさっと情報を確認しているように見えます。自分だけが情報から「置いてけぼり」になってしまうのではないか。そんな漠然とした不安を感じ始めたのは、ちょうど一年ほど前のことでした。
情報難民になりかけた私の体験
私の住む地域でも、数年前から段階的にデジタルでの情報発信が増えてきました。初めは一部のお知らせだけでしたが、次第に重要な連絡もスマートフォンのグループメッセージで流れるようになったのです。
私はスマートフォンの基本的な操作はできますが、メッセージアプリでグループに入るのは少し抵抗がありました。通知がたくさん来たらどうしよう、間違ったことを送ってしまったらどうしよう、そんな不安があったからです。それに、以前からの習慣で、回覧板が来るものだと思ってしまっていました。
ある時、楽しみにしていた地域の文化祭の日程が、実はスマートフォンのグループメッセージでしか周知されていなかった、という出来事がありました。私はそのグループに入っていなかったので、日程を知るのがすっかり遅れてしまい、結局参加することができませんでした。
「まさか、もう回覧板が来ない情報があるなんて…」
この時、私は初めて自分が情報の変化についていけていないことを痛感し、寂しいような、情けないような気持ちになりました。「これでは、これから町のことが何も分からなくなってしまうのではないか」と、本当に情報難民になってしまうのではないかと焦りを感じました。
小さな一歩、そして見つけた自分らしい方法
この出来事をきっかけに、私はこの状況をどうにかしなければと思うようになりました。しかし、急に全てのデジタルツールを使いこなす自信はありません。そこで、無理なくできることから始めてみることにしました。
まず私が試したのは、「必要な情報は何なのか」を整理することでした。全ての情報にアクセスできなくても、自分にとって本当に知りたいのは、自治会からの重要なお知らせや、参加したいイベント情報など、限られたものだと気づきました。
次に、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談することを選びました。幸い、近所に住む友人が、私より少しデジタルに慣れていました。私は正直に「最近、町の情報がよく分からなくて困っているの」と打ち明けました。
友人は、「全部を自分で見ようとしなくても大丈夫だよ」と言ってくれました。そして、自分が入っている町の情報グループで流れた大切な連絡は、彼女が後で教えてくれることになったのです。また、どうしても自分で確認したい情報がある時は、一緒にスマートフォンの画面を見ながら操作方法を教えてもらう時間も作ってもらいました。
さらに、自治会の役員さんに、直接「スマートフォンの情報が追いきれない場合、どうすれば良いですか?」と尋ねてみました。すると、重要なものは回覧板や掲示でも補足するように努めていること、そしてどうしても困る場合は事務局に電話で問い合わせても大丈夫だと教えていただきました。
これらの小さな行動を通じて、私は全ての情報をデジタルで得る必要はないこと、そして困っていることを声に出せば、助けてくれる人がいるという安心感を得ることができました。
「完璧じゃなくて大丈夫」という気づき
この体験を通して、私はデジタル化の波に「完璧に乗らなければならない」という思い込みを手放すことができました。もちろん、便利なツールは使えた方が良いでしょう。しかし、情報を受け取る方法は一つではありません。
スマートフォンの操作に自信がないなら、信頼できる人に助けてもらう。必要な情報だけを教えてもらう。電話や直接話すといった従来の方法も遠慮なく使う。そうやって、自分に合った情報の受け取り方を見つけることが大切だと気づいたのです。
情報から置いてけぼりになりそうだと感じた時、焦る必要はありません。小さな不安や困りごとを正直に伝えてみてください。きっと、理解を示し、手を差し伸べてくれる方がいるはずです。
まとめ:自分らしいペースで、町とつながる
町の情報がデジタル化していく流れは止まらないかもしれません。しかし、それに全て合わせようとして無理をする必要はありません。
自分自身のデジタルスキルやペースを理解し、無理のない範囲で新しい方法を取り入れてみる。そして、どうしても難しい部分は、周りの人の助けを借りたり、従来の方法を活用したりしながら、補っていく。そうすることで、情報から置いてけぼりになることなく、自分らしいペースで地域とつながり続けることができるはずです。
もし今、同じような不安を感じている方がいたら、まずは小さな一歩を踏み出してみてください。それは、誰かに相談することかもしれませんし、情報を少しだけ調べてみることかもしれません。きっと、あなたに合った方法が見つかるはずです。