デジタル疲れ克服体験談

新しいアプリ、もう覚えられない…私のゆるやかな付き合い方

Tags: デジタル疲れ, スマートフォン, アプリ, 苦手意識, シニア

いつも新しいものが出てきて、正直へとへとです

スマートフォンを使い始めて、もうずいぶんと経ちます。最初は電話やメールができれば十分と思っていましたが、生活の色々な場面でデジタルが便利だと言われるようになり、少しずつ覚える努力をしてきました。

でも、本当に次から次へと新しいアプリが登場したり、今使っているアプリも「アップデート」と表示が出て、画面が変わったり機能が増えたりするたびに、正直なところ、もうついていけない、覚えきれないと感じてしまうのです。

新しいアプリを勧められても、また一から使い方を覚えるのかと思うと気が重くなります。アップデートで画面の表示が変わってしまうと、前までできていたことがどこにあるのか分からなくなり、戸惑ってしまいます。以前は、こうした変化に焦りを感じ、「覚えなくては」と無理をして、結局分からずに嫌になってしまう、ということを繰り返していました。

「自分はなんて覚えが悪いのだろう」「もう年だから仕方ないのか」と、がっかりすることも少なくありませんでした。そうすると、だんだんスマホを開くのが億劫になり、デジタル自体から少し距離を置きたくなるような気持ちにもなっていきました。これも一種のデジタル疲れだったのかもしれません。

「全部完璧に」を手放してみたら

そんな私が、少しだけ肩の力を抜いて、新しいアプリや機能と付き合えるようになったのは、ある小さな気づきがあったからです。

ある日、孫が新しい写真共有アプリを使っているのを見せてくれました。とても便利そうでしたが、私には少し操作が難しく感じました。以前の私なら、「これも覚えなくては、孫とのやり取りに使えないかもしれない」と焦っていたでしょう。でもその時、ふと「別に、今すぐ無理に覚えなくてもいいか」「いつも使っているLINEでも写真は送れるし」と思えたのです。

その瞬間、心がすっと軽くなるのを感じました。「全部完璧に使いこなさなくてもいいんだ」という当たり前のことに、やっと気がついたのです。

それからは、新しいアプリや機能が出てきても、まずは「ふうん、こういうものもあるんだな」と眺めるくらいにしました。すぐに飛びついて覚えようとせず、本当に自分の生活に必要だと感じたものだけ、少しずつ試してみることにしたのです。

例えば、天気予報アプリもいくつか種類がありますが、私は一番シンプルで見やすいものを一つだけ使っています。周りの人が別の便利なアプリを使っていると聞いても、「へえ、そうなんだ。私はこれで十分かな」と思えるようになりました。

もし、どうしても使ってみたい機能やアプリがあれば、すぐに全てを理解しようとせず、まずは一つか二つの操作だけ試してみます。そして、もし分からなければ、無理に一人で抱え込まず、デジタルに詳しい家族に「これどうするの?」と聞いてみることにしました。以前は聞くのが申し訳ないと思っていたのですが、少し勇気を出して聞いてみたら、家族も嫌な顔一つせず、丁寧に教えてくれたのです。一人で悩むよりずっと気が楽になりました。

自分のペースで、心地よく

この経験を通して、私は「新しいものに無理についていこうとしないこと」「完璧を目指さないこと」「困ったら素直に頼ること」が、デジタル疲れを減らし、新しいアプリや機能とも上手に付き合っていく秘訣だと学びました。

新しいアプリや機能は、私たちの生活を豊かにしてくれる可能性を秘めていますが、同時に覚えることや戸惑うことも多いものです。全てを理解する必要はありません。自分が心地よいと感じる範囲で、必要なものだけを取り入れていけば良いのです。

もし、新しいアプリや機能が出てくるたびに「もう嫌だな」「覚えられない」と感じている方がいれば、どうぞご自身を責めないでください。それは決して特別なことではありません。多くの方が同じように感じているはずです。

大切なのは、ご自身のペースを守ることです。時には「これは今はいいや」と見送ることも、賢い選択だと思います。そして、もし少しだけ試してみようかな、と思った時は、小さな一歩から始めてみてください。一つ分かったら自分を褒めてあげましょう。もし分からなくても、それは失敗ではなく、「今は必要ない」ということかもしれません。

デジタルは、私たちの生活を支える道具です。道具に振り回されるのではなく、自分が使いやすいように付き合っていくことが大切です。完璧を目指さず、ゆるやかに、そしてご自身の心に優しく、デジタルとの関係を築いていきましょう。そうすればきっと、デジタル疲れも和らぎ、少しずつですが、デジタルとも心地よく付き合っていけるようになるはずです。