オンライン手続きが億劫で避けていた私。小さな一歩を踏み出せた理由
オンライン手続きへの苦手意識
スマートフォンやパソコンが暮らしに浸透し、様々なことがオンラインでできるようになりました。例えば、お店や施設の予約、公共サービスの手続き、商品の購入など、挙げればきりがありません。
しかし、正直なところ、私はこうしたオンラインでの手続きがどうも苦手でした。画面のどこを触れば良いのか分からなくなったり、個人情報を入力することに抵抗を感じたり、間違えてはいけないというプレッシャーを感じたり。結局、「面倒くさい」「難しそう」と感じてしまい、できるだけ避けて通るようにしていました。
インターネットの情報は便利だと分かっていても、いざ自分で何か手続きをしようとすると、その複雑さや分かりにくさに戸惑い、「やっぱり私には無理だ」と諦めてしまうことがよくありました。時には、オンラインでないとできないサービスを利用したいと思っても、その手続きを想像しただけで億劫になり、結局利用を断念するということもありました。
避けていた私を変えた、ある出来事
そんな私が、少しずつオンライン手続きに挑戦してみようと思うようになったのは、ささいなきっかけでした。それは、どうしてもインターネットでしか予約できない、自宅近くの公共施設の講座に参加したかったからです。
家族に頼むこともできましたが、いつも頼ってばかりではいけないという気持ちが芽生えました。また、この講座を逃したら次はいつ参加できるか分からないと思うと、「今回は自分でやってみよう」という思いが強くなったのです。
もちろん、すぐにすんなりとできたわけではありません。施設のウェブサイトを開き、予約ページを探すところから戸惑いました。「予約システムはこちら」というボタンを押しても、次に開いたページがまた分かりにくく感じ、ため息が出そうになりました。何度かやり直しているうちに、正しい手順を見つけ、必要事項を入力する画面にたどり着きました。
分からないことだらけでも、まずは進んでみる
名前、住所、電話番号などの基本情報を入力する作業は、特に緊張しました。もし間違えて登録してしまったらどうなるのだろう、という不安が頭をよぎったからです。入力欄が小さく感じたり、次に進むためのボタンがどれか分からなくなったりすることもありました。
それでも、今回は「最後までやってみる」と決めていました。分からない部分は、とりあえず「これで大丈夫だろうか?」と思いながらも先に進んでみました。もし間違っていたら、後で確認の連絡が来るかもしれないし、その時に聞き直せば良い、と少しだけ肩の力を抜くように心がけました。
幸いなことに、大きな間違いをすることなく、無事に予約を完了させることができました。予約完了の画面が表示されたときは、心の中で小さくガッツポーズをしたほどです。
小さな成功体験がくれたもの
この一度の成功体験は、私にとって大きな意味がありました。それまでオンライン手続きは「難しいもの」「自分にはできないもの」と決めつけていましたが、「案外、やってみればできることもあるんだ」という自信につながったのです。
もちろん、全ての手続きが簡単にできるわけではありません。今でも、新しいサイトやサービスで何かをする際は、戸惑うことがたくさんあります。しかし、あの時の「まずは一歩踏み出してみよう」という気持ちと、「完璧でなくても大丈夫」という気づきが、今の私の支えになっています。
分からないことがあれば、すぐに諦めるのではなく、もう一度よく画面を見てみたり、関連する情報を探してみたりする粘り強さが少し身についたように感じます。時には家族に助けを求めることもありますが、以前のように全てを任せきりにするのではなく、「ここまでやってみたけれど、この先が分からない」と具体的に質問できるようになりました。
完璧を目指さず、自分のペースで
オンライン手続きに限らず、デジタルなことに苦手意識がある方は、きっとたくさんいらっしゃると思います。複雑そうに見えたり、間違えるのが怖かったり、その気持ちはとてもよく分かります。
でも、もし何か一つでも「これをオンラインでやってみたい」と思うことがあれば、ぜひ小さなことから挑戦してみてはいかがでしょうか。完璧を目指す必要はありません。少しずつ、自分のペースで進んでみてください。
たった一つの小さな成功体験でも、それはきっと次に進むための大きな一歩になります。そして、「自分にもできることがある」という自信は、デジタルとの付き合い方だけでなく、日々の暮らしをより豊かなものにしてくれるはずです。
私は今も、全てのオンライン手続きをスムーズにこなせるわけではありません。それでも、必要に応じて挑戦する気持ちを持てるようになりました。これからも、できる範囲で、焦らず、自分に合ったデジタルとの付き合い方を見つけていきたいと思っています。