パスワード管理が不安…忘れてばかりだった私が辿り着いた方法
パスワード管理、あなたは大丈夫ですか?
スマートフォンの普及とともに、様々なサービスをインターネット上で利用することが増えました。例えば、買い物をしたり、病院の予約をしたり、自治体の手続きをしたり。便利だと感じる一方で、困ってしまうことの一つに「パスワード管理」があるのではないでしょうか。
サービスの数だけパスワードが必要になり、覚えきれずに混乱してしまう。一生懸命メモしても、どこに書いたか忘れてしまう。いざ使おうとした時に、「パスワードが違います」と表示されて先に進めない。そんな経験はありませんか?
私も、かつてはパスワード管理が大きな悩みでした。新しいサービスを使うたびにパスワードを設定する必要があり、そのたびに「ええと、どうしよう…」と頭を抱えていたのです。
忘れてばかり…困り果てた私の体験
私が特に困ったのは、以前よく利用していたオンライン予約サイトにログインできなくなった時のことです。久しぶりに利用しようとしたのですが、パスワードを何度入力してもエラーになってしまいました。焦ってパスワードをリセットしようと試みましたが、それにも時間がかかり、結局その日は予約できませんでした。
別の時は、家族との連絡に使っているSNSアプリにログインできなくなったこともあります。パスワードを忘れてしまった上に、再設定の方法もよくわからず、一時的に家族との大切な連絡手段が途絶えてしまいました。その時は、デジタルから取り残されてしまうような、何とも言えない不安を感じたものです。
「どうしてこんなにパスワードって覚えにくいのだろう」「皆はどうしているのだろう」そんなことを考えながら、増え続けるパスワードの山に、半ば諦めかけていました。
「完璧でなくていい」と気づくまで
パスワードを忘れて困る体験が何度か続いたことで、私は「このままではいけない」と感じるようになりました。しかし、かといって複雑なパスワードを全て覚えるのは無理ですし、難しいパスワード管理ソフトを使うのもハードルが高く感じました。
そんな時、知人との会話の中で「全てを完璧に管理しようと思わなくても大丈夫だよ」「自分ができる範囲で、簡単な工夫をしてみたら?」という言葉を聞きました。その言葉に、私は心が軽くなるのを感じました。「そうだ、何も難しいことをする必要はないんだ。自分に合った方法を見つければいいんだ」と気づいたのです。
私が辿り着いた、自分らしいパスワード管理法
そこから、私はいくつかの方法を試してみました。高機能なパスワード管理アプリは私には難しかったので、もっとシンプルな方法から始めてみました。
一つ目は、「重要なサービスのパスワードだけ、分かりやすいヒントと一緒に手書きのメモに残す」という方法です。もちろん、誰かに見られないように大切に保管する必要はありますが、私にとってはこれが最も安心できる方法でした。パスワードそのものをそのまま書くのではなく、「初めて飼ったペットの名前+生まれた年」のように、自分だけがわかるヒントを書いておけば、万が一見られてしまってもすぐにパスワードがバレる心配は少ないと感じました。
二つ目は、「パスワードを使い回すサービスを限定する」ことです。全てのサービスで違うパスワードを設定するのは理想ですが、私には負担が大きすぎました。そこで、銀行や証券会社など、特にセキュリティが重要なサービスには独自の複雑なパスワードを設定し、それ以外の、例えばニュースサイトの会員登録など、もし情報が漏れても被害が少ないと考えられるサービスには、いくつかのパスワードパターンを使い回すことにしました。これは、あくまで「自分にとってのリスク」を考えた上での判断です。推奨される方法ではないかもしれませんが、この線引きをすることで、管理するパスワードの数をぐっと減らすことができました。
三つ目は、「どうしても分からない時は、一人で抱え込まない」ということです。信頼できる家族や、自治体や地域の公民館などで開催されているスマートフォンの相談窓口などを頼ることにしました。プロフィールの再設定や、パスワードのリセット方法など、自分一人では解決できなかったことも、誰かに相談することで案外簡単に解決できることがあると学びました。
不安が自信に変わる小さな一歩
これらの小さな工夫を始めたことで、私のパスワード管理に対する不安は少しずつ和らいでいきました。もちろん、今でも時々「あれ?このパスワードは何だっけ?」と戸惑うことはありますが、以前のように完全に諦めてしまうことはなくなりました。手書きのメモを見返したり、使い回しパターンを思い出したり、どうしてもダメなら誰かに相談してみよう、と思えるようになったのです。
パスワード管理は、デジタルを安全に利用するために大切なことです。しかし、難しく考えすぎて、デジタル利用そのものを諦めてしまう必要はありません。自分ができる範囲で、無理のない方法から始めてみることが大切だと感じています。
もしあなたがパスワード管理に悩んでいるなら、完璧を目指す必要はありません。まずは、ご自身が一番安心できる方法を一つ試してみてはいかがでしょうか。そして、もし困ったら、遠慮なく周りの信頼できる人に相談してみてください。きっと、あなたに合った方法が見つかるはずです。